主人公ナインは、世界樹の麓で、永き眠りより目覚めた。
彼は記憶を失った「超常の戦士」。その脳裏に残るのは、極限状況の中、とても大切な人に命を救われた記憶のカケラだけ。何も分からぬ彼を、近隣の村の老人が優しく保護した。 それから、数日、レジスタンスが村を訪問したところからストーリーは始まる。 突如として村に火の手が上がる。ギル=メキナ帝国軍、第二遊撃部隊団長クリサリスが自ら先陣を切って村に攻め入ってきたのだ。そして、ナインを発見するや否や、目を細めて言い放つ。 「お前は、存在してはならぬ!」 老人はレジスタンスにナインの保護を頼み、帝国軍を防ごうとするも凶刃の元に倒れてしまう。戦いを少しずつ思い出すナイン、守るレジスタンス、それをものともしないクリサリス。 ナインの絶体絶命の瞬間、辺りは光に包まれた。 マナの特異点が現れ、ナインはどこかに飛ばされたのだ。 飛ばされた先は、世界樹に繋がれた空に浮かぶ島。 世界樹第一層と呼ばれる島々の一つであった。 世界樹の島の一つにレジスタンスベースがあった。帝国の脅威に晒されながらも、レジスタンスが根強く活動してきたのは、マナ毒に満たされた世界樹という要塞とも言える存在があったためである。
世界樹の特異点を解析し、レジスタンスのベースを築いたのも、ナインを特異点に誘導し世界樹に飛ばしたのも「超越した天才」G.T.の為せる技であった。 ナインには、常人ならば数秒で死に至るマナ毒が全く作用しなかった。G.T.のマナ通信のサポートで、ナインはレジスタンスベースを目指す。冒険の中、過去自分を助けた大切な人が、この世界樹の「上」にいると直感する。心の深いところの声がそう呼びかけているようだった。 時を同じくして世界樹の近郊、逃げる姿があった。黒い婚礼衣装のようなドレスを纏った女性。およそ辺境の島にある姿ではない。 世界樹を目指してひた走る後方には、帝国軍と戦争中のバルザス王国、近衛兵団長アスタロトの姿があった。 アスタロトは厳かに言う。「『時の巫女』イヴ、そこまでだ。」 イヴは過去の巫女たちの記憶視ができる時の巫女の血筋。初代巫女の世界滅亡に関わる世界樹の未来視を見て決意し、この場所に来たのだ。 イヴがまさに捕縛されようとする時、世界樹から脱出したナインが現れ、間一髪、彼女を守る。
ナインは自らの記憶と大切な人の手がかりを掴むため、 イヴは世界滅亡の真相に迫るため、 2人はレジスタンスに協力し、世界樹の謎を解き明かす冒険を始める。 運命の歯車は回り始めたのだ。 状況は最悪である。ギル=メキナとバルザスの戦争はやがて世界中を巻き込むだろう。 世界樹で地脈が発見されたことから、レジスタンスと各国の衝突も、激しさを増すに違いない。 次第に取り戻すナインの記憶や超常の力の秘密、 イヴの持つ歴代巫女が知る歴史、 天才G.T.が解明する世界樹に残された文明の謎、 始めは相違しながらもやがて結びつき、遂には世界の真相が解き明かされていく。 果たしてナインは誰なのか、最後に待ち受けるのは何なのか? |